広島湾岸トレイル

こんにちは。山本諒馬です。
9/24〜25にかけて広島で行われた都市隣接トレイルの広島湾岸TRAILRUN!!
お世辞抜きにめちゃくちゃ良い大会だったのと、僕も良いパフォーマンスが出来た大会だったので、レースレポートをこの場をお借りして書きたい思います!

◎レース結果
 総合4位
 15時間16分13秒

【大会概要】
今回が第一回となるこの大会。広島湾岸トレイルは全て繋げると291.9kmにもなるロングトレイル。そのうち108kmをコースとした大会でした。スタート地点はあの有名な原爆ドームや広島グリーンアリーナがある広島の中心地。ここまで大都市を起点とした大会は日本で唯一と言えるかもしれません。
108kmで累積6900mもある、しかもロードが結構多いのにこの累積なので、かなりきついコースというのが想像つきます。
大会は土曜6:00スタート。約500人のランナーが制限時間34時間以内の完走を目指して走ります。

会場の様子。賑わってます。

【大会前日】
16時ごろに広島に着いた私は前日受付に行きました。会場に着くとびっくりするくらい華やか!ブースのテントやスタートゲート。粋な音楽もかかり、前日から選手のテンションを上げてくれま す

まずは必携品チェック!今回は①レインウェア上下、②サバイバルブランケット、③ヘッドライト(点灯確認も)、④長袖シャツ、でした!
大丈夫なはずなのに、毎回必携品チェックはドキドキしちゃいますよね笑

無事受付を終えると、会場にいる知り合いと談笑タイムです。この時間めっちゃ好き。
岡山からボランティアに来てくれた方やコースディレクターの方、出店スタッフの方などと色々な話をしました!
明日は暑くなりそうだねぇと話し、ひそかに予想していた16時間ゴールに不安を感じました。

岡山からボランティアに来てくれた方々

談笑も楽しいが早く寝なくては、とホテルに行きました。
大都市ですので近くにいくつもホテルがあって良いですね。
そそくさと夕食を食べ、参加賞を開け、明日の準備をします。

参加賞盛りだくさん!

【装備】
レースはこんな装備で行きました!!

HOUDINI Dynamic chimney
HOUDINI Dynamic tank
HOUDINI Pace wind shorts
T8 Command
Topo athletic MTN racer
mouseontrail DATE15
innerfact ラミー 5本指ミドル丈
COROS VERTIX2

108kmを共にする相棒たち

74kmのA7エイドでドロップバックが使えるので、補給食は70km分で計算し約25個(そんなに飲まなかった)。最近はレース中はジェルだけです。ドロップバックに残りの30km分(12個)ほどを入れておきました。

【大会当日】
スタート3時間前の3時に起床。朝ご飯を済ませ、テーピングを巻き、ホテルを出発。歩いているとパッと急に現れた、ライトに照らされた原爆ドーム。夜に見る原爆ドームはとても神々しく威厳がありました。

原爆ドーム

会場入りし、ドロップバックや荷物を預けます。選手の方々と写真をたくさんとりました。レース前は緊張します。でもなんか楽しい緊張感。

猛者たちと。

【スタート〜A1(上温品北運動広場)】
MCで会場が最高潮に盛り上がる中スタート!まずは6〜7kmのロードと河川敷を進みます。ここは5'05/kmくらい。心地よいペースで周りの選手と話しながら進みます。戸坂トレイル入口で一瞬だけトップに立ちました。でもすぐ抜かれました。ここは焦らず意識してかなりゆっくり登ります。いつも最初のトレイルで心拍数が上がってしまうので、今回はかなり抑えました。
A1に着き、水分補給だけ行い、すぐにスタートします。この時点で5〜8位くらいかな?

最初のロードは和やかに会話しながら。

【A1〜A2(緑化センター)】
二ヶ城山〜呉娑々宇山〜藤ヶ丸山とアップダウンが続きます。ここら辺は前後の選手も多く、まだ自分の走りに乗り切れてないので正直記憶があまりありません笑 正直言ってレース始まって20kmくらいはあまり好きじゃなくて、トレイルで1人になって自分の走りが出来ているときが1番テンションあがります!(共感してくれる人いるかな?)
緑化センターでも補給をすぐに済ませ、出発します。僕はかなりエイドワークが早い方だと思います。せっかちなもんで笑 このエイドでは10人くらい団子だったので一刻も早く出発したかったです。

こんな感じのときが絶好調♪

【A2〜A3(上深川)】
エイドを出るとすぐに下りです。三本木山の下りは激下りだけど、実はかなり得意なんです。下りの恐怖心は全然ありません。Topo MTN Racerはトレイルへの食いつきが良く、激下りもなんのそのです。ここは気持ちよかったなー。でも下ってるのに汗をかくくらい強度は高かったです。
ロードに出ると総合2位になった黒河選手と一緒に走りました。黒河選手は有名選手で「初めまして」と挨拶したところ、僕のことを知っていてくれて嬉しかったです。同じ20代としてトレイル界を盛り上げていきたいと話しました。
木ノ宗山に入ります。300mUPくらい。後から高低図で見ると全然大した山ではないのですが、全体を通してここが1番きつかったです。気温が上がってきたし、黒河選手は速いし、後ろの選手にも迫られてました。このまま行くとダメだと思い、道を譲り、2つ順位を落とします。
木ノ宗山を下るとすぐに上深川エイドです。

木ノ宗山登り。暑いのでお腹冷却中。

【A3〜WA(白木山)】
エイドではおにぎりを貰いました。すぐには食べず、携帯カップにいれて後で食べれるように保存します笑 このエイドで抜かされた選手を追い越し2つ順位をあげます。
ロードで別府選手に追い付かれ、一緒に鬼ヶ城山を目指します。別府選手は那岐ピークスで順位が前後になり、知り合いになりました。また順位を争うことになるのかとヒヤヒヤものでした。別府選手はダンディな大人で、余裕があり、とてもカッコいい選手です。博多弁がセクシーですね。
さぁ鬼ヶ城山!コース上で最も高低差のある登りです。別府選手が少しペースを落とすと言い、一人旅へ。熱いので途中の川で水を浴びながら、ザックを肩にかけながら、放熱しつつ進みます。(このザックをおろす行動、ペースも抑えれるし、勝負しない登りではかなりおススメです(使用料3000円)

ザック肩掛け(写真は最上稲荷9耐)

この登りで総合6位となった駒井選手に抜かされます。きついですねー長いですねーと会話を交わし、さっとかわされてしまいました。
鬼ヶ城山に到着。ゆっくり登ったからか気持ち的にはあっという間でした。ここから白木山に更に登っていきます。白木山山頂付近で内腿が攣りそうになるのを感じます。かなり汗をかいていたので水分・塩分不足だろうと塩分タブレットで補給します。
白木山に到着。さぁ下りだ、と思って先を急いでいたところ観客の方から「景色景色!」と言われ、ハッと我にかえるとものすごい綺麗な景色が広がっていました。レース中でもこういう息抜きは大事ですよね。ありがとうございます。
さぁ下り!この先は岡山のスカイランニングチーム《スカイデーモン》が運営するウォーターエイドがあります。これを楽しみに白木山登りました!

【WA〜A4(スポーツランドTAMADA)】
WAに到着!「諒馬くんだ!」と言ってもらえ、パワーを注入してもらいました!ここのレモネード美味しかったな。懐メロがかかっていたらしいですが、集中してて全然聴いてなかったです、、僕の時は何が流れていたんだろう。。

スカイデーモンエイドを出発
mouseontrailさんのザックは収納力抜群!ポケットもアクセスしやすいです。

ここからは長い長いロードの下り。ちょいちょいアップダウンがあるも歩くほどではないので、心を鬼にし、着実に進んでいきます。下りの時はキロ5分を切るくらいだったので、調子良い感じでした。
この先は最も楽しみにしていたOTRAエイド。岡山の仲間が出迎えてくれるエイドを求めて進みます!エイド前の立哨をしている仲間に遭遇。もうちょっとでエイドだ、と思ってからが意外と長い笑 どこかよくわからない所をぐるぐる回ったのか、また先程の仲間に出会い「どこから来たんですか?」と瞬間移動したのかと、この時めっちゃ楽しかったです。
OTRAエイドではみんなに元気をもらい、いなりやピオーネ、ANDOをもらい、先を急ぐことに!もっとゆっくりしたかったけど、先を行く駒井選手が見えたからスピードあげました。この時点で3分差くらい。

OTRAエイド前!たっのしいー♪
OTRAの皆様。暖かいです♪

【A4〜A5(中倉峠)】
山を下り、ロードを走り、2つ目の難所である備前坊山の林道登り。緩やかですが一気に700m UPします。フレッシュな脚なら多分全部走って登れる。そのくらいの斜度ですが、レースでは95%歩きました。途中の微妙な平坦な道を少し走っただけです。キリアンなら100マイルでも全部走って登るんだろうなぁとか考えながら歩いてました。備前坊山の山頂付近を通過して少し下ると中倉峠エイドです。

【A5〜A6(南原研究所)】
ここからは下りで次のエイドまで近いので、水分を7割くらいにしました。ロードを一気に6kmくらい下ります。僕がエイドに入る瞬間に駒井選手がエイドを出ていきました。近づいている!このエイドでは被り水があったので一杯だけ頭からかけました。

【A6〜A7(柳瀬キャンプ場)】
ここからは低めの山を越えていきます。螺山(にしやま)という急登もあります。でも全然きつく感じませんでした。実はこの区間トップ10選手の中で1番の区間タイムでした。ここらへんから乗ってきたのを感じました。柳瀬キャンプ場に着く直前で駒井選手をパス。脚を攣ってしまっていたようです。

【A7〜A8(権現山山頂広場)】
A7ではドロップバックを使えるので、用意していたジェルのみ追加しました。少し甘いジェルが食べにくくなっていたので、酸っぱめのジェルだけ追加しました。休憩も早々にパンなどを口に詰め込み先を急ぎます。この時点で前をいく黒河選手と9分差でした。行ける!残り30kmで追いつくぞ!!気合を入れて山へ!!

A7にて。ドリンクはセルフです。

エイドを出るとすぐに阿武山に入ります。ここはハイキングコースと書かれていて、多くの選手が騙されたことと思います。ゆるゆる登山かと思えば岩ゴロゴロ、壁のような急登のガチ登山です笑 ロープを持ちながら進むところもあり、全身運動が強いられるパートです。最難関と思っていた阿武山でも身体は良く動きました。
ゆっくり進んでいるとマーシャルの彦さんと会いました。彦さんはいつもニコニコ笑顔で声が大きくて、応援してもらうととても元気が出ます。めちゃくちゃ励まされ先を進みます。A8に到着。

【A8〜A9(鹿谷ふれあい広場)】
A8で東徹さんに「トップ3いけるよ。かなり詰まってるんじゃない?」と言われ、まじですかやったー!と思いがけない調子の良さに更にテンション上がりました。この時点で前との差は8分くらい。ここからは少しロードを下ります。信号に捕まったので、そのタイミングでヘッドライトと腰ライトを装着しました。ロードを軽快に走っていると、道端の小学生?から「頑張ってください」と。いやぁ、お邪魔してるのはこっちの方なのに、暖かく声援をくれると嬉しいですね。道も譲ってもらって申し訳ない気持ちとありがたい気持ちで一杯になりました。
さぁここからラストの山パート、武田山〜火山〜丸山に入ります!高低差はあまり無いのに、小刻みなアップダウンがあって中々進まないんですね。ここはトレイル経験値によってタイム差が生じるパートだと思います。
武田山の下りで腰ライトが邪魔で外しました。霧もかかってないし、いりませんでしたね。
暗いトレイルの中の灯り。インナーファクトが運営するA9到着です。

徐々に心拍数は下がっていき、最後付近は140を下回っています。

【A9〜A10(竜王公園)】
A9ではいつも良くしていただいているインナーファクト首藤さんを初め、みなさん明るく迎えていただきました。ここで前との差は5分差!!3位は黒河選手だと思ってましたが、北野選手と入れ替わってましたね。
先を急ぎます。ラスト10kmはロードなのでトレイルで追いつけなければ、勝つのは厳しいかな、と思ってました。
火山〜石山〜丸山とアップダウンを進んでいきます。決して動きは悪くなく、パワーウォークとランをおりまぜて進みました。しかし追いつけず、、リザルトを見ると北野選手は区間1位、僕は4分差の2位でした。
北野選手も黒河選手に追いつこうとペースアップされたようですね。
トレイルパートが全て終わり、A10に着きました。

【A10〜ゴール】
A10では麦茶を500mlだけ補給しました!この時点で差が開いたことを教えてもらった僕は諦めはしないものの、最後は目一杯楽しんでゴールしようと思いました。目の前に飛び込んできた広島の夜景は今までの疲れが吹き飛ぶくらいの絶景でした。
ロードを下り、河川敷に出ます。スタート前はキロ6分が精一杯かなと思っていたけど、不思議と脚が動きます。ゴールまで平均して5'30/kmくらいでした。
この時は色々と考えました。昔に比べて強くなった自分を褒めたい気持ち、それでも3位に及ばなかった悔しさ。ゴール後のインタビューなんて言おう。ゴールした後はタクシー使ってホテル行こう。明日の朝ごはんは、、、ゴニョゴニョ
そんなこんな考えているうちにあっという間にゴールゲートが見えてきました。「あと1km!」そう奥宮さんに声をかけていただき、暗闇を煌々と照らすゴールゲートに向かいました。
ゴール直前でコースディレクターの小田さんに出迎えていただき、硬い握手をしました。「有言実行おめでとう。」温かく見守ってくれていたことに胸が熱くなりました。
そしてゴール。結果として3位とは4分差で惜しい結果でしたが、やり切った清々しさが勝りました。

総合4〜8位の表彰!
徐駒井選手と角田選手と。

台風14号の直撃でトレイルが荒れていたはずなのに、嘘かと思うほど綺麗でした。そして、1番強く思ったのは、めちゃくちゃ良い大会だったこと。正直第一回の大会なのでここまでのクオリティは予想してませんでした。皆さんの熱い想いが会場やエイドのクオリティ、ボランティアの方々の熱意となって現れていました。多分これは参加した全員が感じたことと思います。

招待選手として参加した大会で良いパフォーマンスができ、たくさんの方に応援してもらい、まさに感無量でした。
中四国はロングレースが少ないので、この大会を盛り上げていきたいと強く思いました。
この広島湾岸TRAILRUN、最高の大会でした。日本一の大会になれるよう僕も盛り上げていきたいと思います。


名前: 山本諒馬
生年月日: 1993年11月5日(28歳)
住所: 岡山県総社市
憧れの選手: 山本健一さん
所属: イーグル工業株式会社/走る栄養研究所RN

中学から10年間バドミントンに打ち込んでいましたが、相手の弱点を攻める対人競技をしているときの自分は常に怖い顔をしていました。そんなとき出会ったトレイルランニングは速い遅い関係なく、みんなが清々しい顔をしていました。なんてピースフルなスポーツなんだと思い、その魅力にどんどんはまっていきました。

自分のモットーは常に笑顔で走ること!自然環境や支えてくれる方々に感謝して走り、トレランで人生を豊かにしたいです。

〈直近の成績〉
・TAMBA100 アドベンチャートレイル 〈Pre-stage〉100mile   2位
・TAMBA100アドベンチャートレイル  100mile 7位
・石舞台100 100km 3位
・UTMF2022 18位(ニューヒーロー賞)
・くろんど輪舞曲 120K 優勝

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広島湾岸トレイル” に対して4件のコメントがあります。

  1. チョコ餡 より:

    人と競うことをやめ、自身と闘うことにしたというマインドが素敵ですね。同様の境地に至ってから開花した偉大な先人は数知れず。常に強くありたいと真剣に願う人は、大事な場面で良い判断をすることができると思います。トレランを通じて、これからも生き生きと山本節をふるって下さることを期待しています。頑張ってください

    1. 山本諒馬 より:

      チョコ餡様
      トレイルランは良い意味で競技性が低いのが魅力です。お互いに尊敬し合うことのできるまさに大人のスポーツといった感じです。これからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いします。

  2. davinci より:

    諒馬さん‼️素晴らしい内容の走りに感動しました😭貴方の笑顔は周りの全ての方に伝播するでしょう‼️きっと次回のレースでも感動と記録を期待してます(*^^*)キツい時は応援して下さった方々が背中を押してくれると信じてGOAL目指してgod speed!Just do it‼️

    1. 山本諒馬 より:

      davinci様
      ありがとうございます。ハセツネダブルも完走できて良かったです。苦しい時は応援してもらった人の顔や声が浮かんで、ゴールまで運んでくれました。ある程度責任を背負っている方が人は頑張れますね。今後ともよろしくお願いします。

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